Home > CBD/COP10に向けて | Japan Civil Network for CBD:CBD市民ネット > レポート:生物多様性第10回締約国会議(COP10)及びカルタヘナ議定書第5回締約国会議(MOP5)の開催にむけた意見交換会

レポート:生物多様性第10回締約国会議(COP10)及びカルタヘナ議定書第5回締約国会議(MOP5)の開催にむけた意見交換会

日時:2008年10月23日(木)18:00−20:00
場所:環境パトナーシップオフィス(EPO)会議室
連絡先:環境省自然環境局自然環境計画課

この会合について環境省から正式に案内が出されたのは16日であり、開催が平日の夕刻であったにもかかわらず、100人ほど収容の会議室は満杯だった。(編集者注:当初50名の定員で参加者を募集したが、「参加希望者が多かったから」という理由で会場がEPO に変更された。また、参加申し込みが遅かった者は「定員オーバーのため」に参加を断られている)

環境省の挨拶に続き、同省担当者からCBD/COP9&MOP4(2008年5月@ボン)、G8環境大臣会合(2008年5月@神戸)、北海道洞爺湖サミット(2008年7月@北海道)などの説明がざっと行われた。

また、2008年9月30日に「生物多様性第10回締約国会議及びカルタヘナ議定書第5回締約国会議の我が国開催に関する関係省庁連絡会議の設置について」が外務省と同時に発表されたことを知った。その資料には、「議長 外務省地球規模審議官、 副議長 環境省自然環境局長、構成員 内閣官房内閣審議官、財務省大臣官房審議官、文部科学省研究振興局長、厚生労働省大臣官房総括審議官、農林水産省大臣官房技術総括審議官、経済産業省製造産業局長、国土交通省総合政策局長、オブザーバー 生物多様性条約第10回締約国会議支援実行委員会会長」とある。

生物多様性条約第10回締約国会議(CBD/COP10)に向けたスケジュール(予定)も提示された。いわゆるロードマップであるが、そこにはNGOという文字は一切見当たらない。

参画・連携のあり方しくみ作りについてという議題に期待したが、それは支援実行委員会からの説明であり、目新しいことはなかった。というより、支援実行委員会が説明すればするほど、愛知万博と同じ発想にみえてくる。

さてNGO側からは、まず日本自然保護協会(NACS-J)国際担当/IUCN-J事務局の道家哲平さんが、バルセロナで開催されたIUCN総会の模様を報告した。「バルセロナでは10月7日にNACS-J主催の円卓会議(ワークショップ)が開催され、CBD/COP9の成果は何だったのか、CBD/COP10ではどうなのか。保護地域の数値目標が議論されるだろう。また、生物多様性への気候変動対策である海中に鉄を沈めるような誤った対策が行われているについても議題に上がった」と。

ここまで聞いて、思わずわたしは隣席のNACS-Jの開発法子さんに「海に鉄材を沈めるこれって間違ってるんですよね」と尋ねてしまった。先日の東海市での支援実行委員会のシンポジウムで、確か大同鉄鋼が鉄材を海に沈めていることを評価する発言を聞いたばかりだったからだ。主催者の支援実行委員会は生物多様性そのものについて慎重になってほしい...。

次にWWFジャパンの草刈さんが、ここまでのNGO側の動きについて、2007年にジョグラフさんを呼んだ発端から説明。CBD/COP9のボンでNGOの動きを見て、日本でほんとうにここまでのことがNGOで可能なのかと率直な不安を語った。また、NGOは中央で足並みを揃えていくことの必要性があり、ようやく9月30日にそれに向かった動きが始まったことを報告した。

国連大学高等研究所が「日本における里山・里海のサブ・グローバル評価(里山里海SGA)概要についてミレニアム生態系評価(MA)を中心に説明した。サブ・グローバル評価とは、各地域の生態系を地球規模のレベルで確認するということらしい。里山里海SGAでは、評価対象を生態学および気候的観点、社会経済的観点から日本全土を5つのクラスターに分類している。マップ上では、北海道クラスター、東北クラスター、北信越クラスター、関東中部クラスター、西日本クラスターとなっている。日本を5つの分類にしてしまうこと自体かなり無理があると思われる。生態的にみても社会経済的にみても、関東と中部を同じクラスターとしていいのか、国連大学は里山を理解しているのだろうかと不安になってきた。生物多様性年のクロージングイベントは、石川県で開催されるとスケジュールにある。里山の生物多様性評価が地域で「正しく」進んでいくのかどうかをチェックしていく必要を感じる。

生態学の矢原徹一さんが聞き慣れない"GEO BON"設立について説明。
GEO=GROUP ON EARTH OBSERVATIONS
BON=Biodiversity Observation Network
気候変動においてIPCCが地球温暖化に対する最新の知見を発表し続け、それによって温暖化への理解が進んだように、「生物多様性損失の規模と重要性に関する説得力ある科学的根拠を提示する必要」のため設立されたものだという。IPCCに相応するGEO BONということになる。

その後の意見交換会では、いろいろな発言があったものの、しかもその内容が一々もっともなものであったのだが、それは環境省に対しての要望であってCBD/COP10に対する意見ではなかった。環境省の上の立場の人間が直接、研究者、法人、NGOなどと対話できる場が日頃ないということなのだろう。

道路の自然環境対策のロジを設定する仕事で、立場上はっきりした意見は言えない。だが、環境省には周囲の思惑を考えずにはっきり自然保護の立場に立った意見を言ってほしい、などという意見には苦笑してしまった。

最後に、草刈さんが、環境省に各省庁をまとめろというのではなく、それぞれの省庁にこちらから出かけていくことが必要だと述べた。ボンでのNGOの働きはできようもないことを一番承知している人、ロビイもやっていてNGOに力をつけたいと思っている人、その人が今後の動きをどうつくるべきかを一番慎重に考えあぐねている様子が伝わってきた。

日本のNGOに、ボン並みのことはできない。では、それはどういう「かたち」になるのだろう。今後も東京の動きという第1次情報を追いながら、仕組みそのものを新たに創出することが望まれている。

それにしても、環境省からはNGOに対してはもちろん、市民への普及や地域への具体的な働きかけについても、何の戦略も示されなかったことに驚いた。後2年を切った今も聞きっ放しでよいはずがない。
(曽我部行子)

Comments:0

Comment Form

Trackbacks:0

TrackBack URL for this entry
http://www.jf-biodiversity.org/cgi-bin/mt/mt-tb.cgi/134
Listed below are links to weblogs that reference
レポート:生物多様性第10回締約国会議(COP10)及びカルタヘナ議定書第5回締約国会議(MOP5)の開催にむけた意見交換会 from 生物多様性フォーラム/Japan Forum for Biodiversity

Home > CBD/COP10に向けて | Japan Civil Network for CBD:CBD市民ネット > レポート:生物多様性第10回締約国会議(COP10)及びカルタヘナ議定書第5回締約国会議(MOP5)の開催にむけた意見交換会

Links
Search
Feeds

Return to page top