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セブンイレブンみどりの基金 海外研修 総括報告

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今回のセブンイレブンみどりの基金主催の研修ではドイツの環境に対する政策や仕組み、市民の活動など実に様々な分野の研修を受けることができました。2010年に名古屋で開催される生物多様性条約締約国会議(CBD-COP10)に向けて、「NGO間のネットワーキングの仕組みをドイツ国内の事例から学ぶことができたのか」について記載したレポートです。
長文で駄文ですのでお時間のあるときにお読みください。
また、お手数ですが、誤字脱字についてもご指摘ください。

NGO間のネットワーキングについてドイツの現状から日本のあるべき姿を学ぶ

日本国内では困難な道のりであるNGO間のネットワーキングについて、ドイツではNABU(ドイツ自然保護連盟)やBUND(ドイツ環境自然保護連盟)といった歴史、実績など申し分のない根幹となる自然や環境を保護する二大環境保護団体が存在し、またドイツ特有の国民性、宗教観が存在することは確かである。しかし、それだけではなくドイツの環境保護団体は活動自体を常に継続的に、そして一般市民に分かりやすく伝える努力を繰り返してきた。例えば、マスメディアへの積極的な広報活動や人を惹きつけるパンフレットのデザインの素晴らしさなどを見れば"同じような活動をする団体、支援者、一般の人に自分たちの活動を伝えること"にいかに力を入れているかが分かる。

まず、ここでBUNDやNABUなど組織構成について述べる。

これら2つのドイツ最大の環境(自然)保護団体の構成は、ベルリンにある連邦本部を筆頭に州支部や地域支部が存在する階層構造である。この階層構造のみならず、ドイツ国内の地域レベルの小規模な団体は、ネットワーキングそれ自体が、政治に与える影響やアイデアの交換など、大きな利点があることを経験的に知っている。草の根活動を展開するドイツ国内の小規模なNGOは、孤立していては行政等への牽制力は微々たるものであり、せっかくの活動に付加価値を持たせるため、NABUやBUNDといった団体とネットワーキングを組むことによって組織化し発言力を何倍にも高めることを知っているのだ。

また、ドイツの環境団体のネットワーキングは最高組織(連邦本部)、上位組織(州支部)、下位組織(地域支部)の関係が基本的には信頼関係のみで成り立っており、お互いに必要以上の干渉を行なっていない。もちろん解決が困難な状況に置かれた場合は互いが助け合うが、基本的にはそれぞれの活動を信頼することがネットワーキングの要となっている。これらは個々のNGOの情報収集能力が優れており、自らが行うべき活動を的確に、しかも効率的に判断している結果であろう。団体の連邦本部から下りてくる"自然(環境)を守る"という柔軟性に富んだ大きな枠組みが様々な団体をつないでいくことにより、政治的にも圧倒的な圧力を与える構造を作り出している。

日本のNGOについても、個々のNGOが孤立した活動を続けるのではなく、できるだけたくさんの団体とパートーナーシップを組むことが今後のNGOの発言力を高める一歩となるだろう。また、一つの名前を持つ大きな団体が国、県、市、地域単位に存在することは、国政レベル、県政レベル、市政レベル、地域レベルそれぞれに対して牽制力が働くことになる。ちなみにNABUの場合、本部(1)、州(16)、地域(1,500以上)の拠点がある。団体はそれぞれが独立した法人(e.V.)となっている。ただし、ドイツの団体は登録制なので日本の様な厳密なNPO法人といった考え方とは少し違う。

ドイツの環境団体は生物多様性条約締約国会議(CBD/COP9)をどう考えていたか

NGO間のネットワーキングの価値を知るといった観点から、2010年に名古屋で開催される生物多様性条約締約国会議を前にドイツでヒアリングすべきと考えていたテーマがある。2008年5月にドイツ・ボンで開催されたCBD/COP9を受けて、ドイツ国民の意識が変わるきっかけとして大きな効果があったのか、そしてそれぞれの環境団体が市民への環境意識を高める裾野を広げる様な活動を実施したのかという疑問を解決することである。多くの市民に生物多様性会議を伝えるためにはドイツ国内のNGOの動きについてまずは自らが知る必要がある。そしてその活動内容や具体的な手法を理解した上で今後日本での活動を展開しなければならない。

今回のヒアリング先はBUND、NABUともに州レベル事務局、地域レベルの事務局であったため、両団体の本部の意向は確認できなかったが、ドイツ国内のNGOがCBD/COP9を一般への裾野を広げるチャンスだと考えていたはずであるが、どのように意識していたのかを知る必要がある。

今回の研修はボンのあるノルトライン・ウエストファーレン州でのヒアリングではなかったため、当該州の活動について知ることはできなかった。しかし、「国際会議をツールに何かをしよう!」といった積極的なアプローチは当該州以外の州事務所にはなく、NABUやBUNDについては連邦本部が実施しているとの回答であった。州、地域事務所レベルの具体的な仕事はCBD/COP9に参加したり、ブースを展示したりすることがヒアリングの結果明らかになった。CBDの様な国際会議に日本のNGOが思っているほどの積極的な働きかけは、会議が開催される州が違うと団体の意識は低下するようだ。逆に言えば、それだけ本部や当該州の活動に信頼を置いているということではないだろうか。ドイツでは"地域レベルには地域レベルの仕事が、本部には本部の仕事がある"といった効率的な取り組みが一般的な考え方であることを聞くことができた。常にお互いの意見を尊重しあうといった体制づくりができあがっているようだ。

翻って日本での活動に置き換えれば、CBD/COP10を、多くの一般市民に環境問題について知ってもらい、既存の団体をネットワーキングするツールの一つとして、既存の団体の特性を生かしたまま、如何にネットワーク化し、発言力を高めていくかということではないだろうか。現在、日本ではCBD/COP10に向けて全国的な市民団体組織"CBD市民ネット(仮称)"が設立準備中である。なぜネットワーキングが必要であるかについて積極的に働きかけることができる仕組みづくりをする必要はあるが、現段階ではそこまでの状態ではない。しかし、時間がかかったとしても要となる要素であることは間違いない。現在、CBD/COP10にかかわるNGOが実行段階にあるのが、洞爺湖サミットなどで集結した他分野にわたるNGOの結束を会議が終わった段階で解散するといった形で終了するのではなく、常につなぎ止め続ける活動を展開することが効率的である。そのためにはドイツで得られた組織作りの在り方について講演などを通してたくさんの人々に知らせてゆく必要がある。

今回学んだことはこの一言につきる。
「大きな成果を挙げたいなら、NGOは常に結束し続けること」

全体を通して
今回の研修で一番感じたのは"百聞は一見にしかず"という言葉である。事前にドイツの環境保護団体や人材育成制度の情報収集をし、なるほどこういったシステムが存在するのかと頭では分かっていたつもりでも、現地で実際に現場を見て、担当者から熱意のこもった話を聞くことでそれまで見えなかった事実が見えてくる。今回の研修の中で重要な要素であると思ったのは市民団体を率いるリーダーの姿であった。ドイツの地域レベルの環境団体を束ねるリーダーの姿は笑顔を絶やさず、大らかな心の持ち主であるように感じた。

研修では他にも今後の市民活動を展開する上で参考になりそうなエッセンスが複数見つかったため何点か記述する。

-市民が定期的に環境情報センターに訪れる仕組み
ドイツ マインツ市では市で指定されたのゴミ袋を環境情報センターなど限定した拠点でのみで配布し、市民が定期的に環境情報センターなどを訪れる仕組みをつくっている

日本の場合、利便性を追求するあまり、ゴミ袋を配布する際はなるべくたくさんの場所で配布しようと考えるところであるが、配布する場所をわざと限定し、市民が定期的に訪れることによって、ゴミ捨てのルールを再確認するというのは目からうろこであった。NGOの活動の中でも一度参加することができなかった場合、だんだん疎遠になってしまうことがあるが、今回のような定期的に訪れるような要素をつくれば会員等をつなぎとめることができるかもしれない。

-NGOの存在価値を高める
BUNDは政党にも企業にも常に中立な立場をとり、それを存在価値としていた。独自の価値を高めることによって市民からも行政からも信頼される立場をつくりあげ、社会にとって"必要不可欠"なNGOになることは今後生き残ることができるNGOの理想的な姿と言える。

-ファンドレイジングの要
資金調達の要は資金をもたらす側ともたらされる側の信頼関係の賜物である。助成金でも寄付でも同様であるが、常にNGOから情報を発信し続けることの大切さは当たり前のことではあるが、いつも心に留めておかなければならないことを再認識した。寄付を出す相手側の立場に立って行動することを日々忘れてはならない。日々の乱雑さにかまけず信頼されるNGOをつくりあげる必要がある。

また、例えばダイレクトメールを一通送るにしても、手書きのメッセージを加えるなどちょっとした工夫が資金調達に実を結んでいくものだということを改めて認識した。そういった意味で今回の研修で聞くことができなかったデータベースファンドレイジングについては帰国後も情報を収集する必要がある。


以上、簡単ではあるが、今回のドイツ研修で得られた成功するための要素を少数ではあるが紹介した。私たちの日ごろの生活の中にも常にこういったヒントはあふれており、日々の活動に追われるばかりではなく、少し視点を変えてみるだけで今後、大きな成果を生むことができることが多々あるということを認識した。市民団体とは一人で活動をしているのではない。団体内のスタッフや会員、さらには他団体の仲間と協力しながら、常に話し合いを続け、地域をそして日本を良くする活動を続けることが今後の成功の要ではないだろうか。自分一人では大きな活動はできないかもしれない。しかし、常にアドバイスを与えてくれる仲間が近くにいることを認識し、その仲間たちから活動のためのヒントやアイデアが得られることを忘れてはならない。
まだまだ日本のNGOは成長の途中にあるのだから。

最後になりますが、セブンイレブンみどりの基金へと募金してくださった皆様、この研修は今後の日本をよい方向へと変える人材を育成するために必要なものであることは間違いありません。今後も環境ボランティアリーダー海外研修にご理解ください。ありがとうございました。

<今村 和志>
ドイツリーダー研修 中間報告
セブンイレブンみどりの基金 ドイツリーダー研修 報告

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