- 2009年10月 7日 23:04
- articles:記事
なごや環境大学共育講座(http://www.n-kd.jp)
食糧問題から見えてくる生物多様性
〜ポスト・グローバリゼーションの可能性を探る〜
ー第3回 日本で生物多様性農業は可能か?ー
講師:浜口真理子さん(http://www.peaceseed.org/ )
日時: 2009年8月29日(土)
場所:名古屋市市政資料館
企画:生物多様性フォーラム
今回は「たね」について学びました。「たね」といえば果物や野菜の種といった食べる時に捨ててしまう種以外は、小学校の頃に朝顔を育てたり、ひまわりを育てたりした時しか接したことがない私。こんな私のように農業や家庭菜園などをやっていない人にとっては、「たね」というものはホームセンターなどにおいてある売り物の一つでしかないと思います。でも、今回の講座で「たね」がとても大切なものになりました。
現在「たね」はどんどん減ってしまっているそうです。その原因には
環境の変化や自然災害といったもの以外に、近代品種への切り替え、農業のグローバル化などがあります。国連食糧農業機関(FAO)によると「20世紀に農作物の遺伝的多様性の75%が喪失した」とのことです。そのようなことを言われても「たね」を買おうと思えば、ホームセンターなどに行けば簡単に手に入ります。だから「たね」が減っているなんてピンとこないかもしれません。でも少し考えてみると、お店で売っているのはみんな同じ「たね」です。だからどこの地域で作られても、もとは同じものです。それに対して、農家で毎年引き継がれている「たね」はその土地などで異なります。そういった「たね」が引き継がれず、みんなが同じ「たね」を使えば、その地域の「たね」は消えてしまいます。つまり多様性がなくなっていってしまうことになります。農家の納屋に眠っている「たね」が、実はとても大切なものであることが分かりました。
今回の講師である浜口さんは、地域の「たね」を探し、守る活動をしていらっしゃるそうです。その活動はその「たね」を守ってきた方々の暮らしの知恵などを受け継ぐことにもつながり、高齢者の方が生き生きとしコミュニティの活性を引き起こすそうです。「たね」を引き継ぐことは一つの種を守っていくということだけではなく、その地域というものを守っていくということにもつながるのだと思いました。現在はグローバリゼーションにより、どこでも同じものが手に入ります。私達が食べているものだけでなく、「たね」でさえ、世界中で同じものが手に入ります。便利な世の中にはなりましたが、その地域で引き継がれてきたものやことなどが大切にされなくなってきていると感じていました。それどころか消えてしまっています。地域の植物を育てる、その地域の特性を生かすといったことは、様々な種や文化を残すことにつながり、生物多様性を守ることになると思います。
3回の講座を通して、生物多様性が破壊されていっていることに自分達の食生活などが大きく関わっていることを知りました。気付かないうちにグローバリゼーションの波にのまれていた感じです。自分で「たね」を育てることは、すぐにはできないかもしれないですが、食品を購入する時に、その食品がどこから来たものなのか、遺伝子組み換え食品の可能性があるものなのか、地元で獲れたり作ったりしたものだろうか考えていきたいと思います。(natsu)